女子フィギュアの浅田真央が、世界ジュニア選手権で2年連続優勝できなかったことが大きな話題となっている。スポーツ番組ばかりかワイドショーや報道番組までも多く時間を割いているのだ。だがそれほどまで大きな事件だろうか? 確かにグランプリファイナルで世界一になった彼女が、ジュニア年齢の世界大会で優勝できなかったことは番狂わせには違いない。だが優勝しなかったと言っても堂々の世界の2位である。しかも彼女はわずか15歳の少女である。成功するときもあれば失敗する時もある。好不調の波だって大人のより激しいだろう。その中で今回の大会は2位に終わった。ただそれだけのことだ。
それにも関わらず、多くのマスコミが「なぜ優勝できなかったか?」と掘り下げ、話を膨らます。さらには優勝した韓国の選手についても、多くの分析がなされている。だが、浅田に少しでも早く次の優勝を果たしてほしいなら、今必要なことは彼女をそっとしておくことだろう。
各方面で語られているように、彼女の不調の原因はおそらくプレッシャーとそれによるストレスだろう。そしてそのプレッシャーは、他ならぬマスコミによるものが大きいのだ。現在の女子フィギアブームの中、各マスコミは浅田を放ってはおかない。そのことが彼女にプレシャーを与え、ストレスを生んだ。安藤美姫が失速した時も全く同じ状況だった。今後早い時期に浅田が復活できるかどうか? ただ今回の大会でたまたま勝てなかったという事実に終わらせられるかどうか? 実はメディアの対応しだいというところがあると思う。
本来であれば、競技団体がその辺りについてしっかりとした規制を設けてコントロールし、浅田とマスコミを遠ざけるべきだろう。だが今までそれを出来なかった日本スケート連盟にこれからそれができるとは思えない。メディアに選手を取材させることがお金を生むことを知ってしまったからだ。彼らはその理由を選手強化に必要だからだと言うだろう。だが本当の理由はそうではない。連盟の理事や事務局の人間が、一度知ってしまった贅沢から元に戻ることができないからだ。かつてメディアに注目されなかった時代には行ったこともないような豪華な店で食事をして、以前は買い換えるのをためらっていた事務用品も、金額も気にせずに買い換えるようになる。そこから戻ることができない。それが事実だ。
ましてや1億5000万円もの赤字も発覚した。これを聞いた時に、この1年から2年、女子フィギャア選手が一般の女子アスリートに比べて、異常にメディアの露出が多かった理由の一端がわかった気がした。この問題についても話の展開によっては、機会を見つけて詳しく話をしてみたいと思う。 |